鏡屋今昔物語

鏡屋今昔物語
鏡屋今昔物語
我がご先祖様に思いを馳せる時、ひとつの疑問に必ず行き当たります。「何でガラスの卸問屋なんだ?」と。
岡本鏡店は、ガラスの卸問屋として、歴史に小さな一歩を踏み出しました。当時の名乗りは「岡本喜商店」、明治30年(1897年)のことです。今でこそ窓にガラスが嵌っているのは極々当たり前でしょうが、その頃は認知すらされていなかったに違いありません。
創業者の名は岡本喜兵衛、嘉永元年(1847年)の生まれで、元は仏師、仏様を彫むことを生業としていました。仏様とガラスを結ぶ「線」は全く見えません。仏師からガラス卸商への転業の理由は、今もって不明のままです。
ただ、一大転換だったことは確かです。明治中葉にガラス卸商を興した店は、他にもあるようですが、その中でも「岡本喜商店」は草分け的存在です。こう言うと随分と恰好良く聞こえますが、創業の頃の苦労は、今でも十分に想像ができます。「ガラス」って一体何で切るか、皆様はご存知ですか。「もちろんガラス切りに決まっているよ」という答えは当然でしょう。では、ガラス切りがあれば、はさみで紙を切るように、簡単に切れるでしょうか。確かにガラス切りがあれば、鏡やガラスは裁断できます。しかしそう容易くはありません。それなりの修練が必要です。今のガラスや鏡は、殆ど真っ平らですが、明治期のガラスは、ひどく波打っています。この波打ったガラスを大方何の知識も持たないご先祖様は、如何にして裁断していたのか、恐らくは、滑稽なくらい悪戦苦闘していたものと推測できます。
喜兵衛には一人息子がありました。名は喜一郎と言います。生年は明治12年(1877年)と伝わっており、創業の頃は20才前の若者ということになります。恐らくは、創業当時の苦労はこの喜一郎が一手に引き受けていたのではないか、と私は考えています。喜一郎はかなり才覚のあった「漢」だったようで、ガラスの流通拡大も相俟ってか、大正期には相当な繁栄を見ました。ここからは、はっきり言って自慢話です。大正期以降は、住所地の町内の殆ど、というと大袈裟ですが、かなりの部分は我が岡本家の「地所」になりました。使用人の数も増え、喜一郎の坊は、冬になると女中さんに草履を温めてもらっていたそうです。その後、忌まわしい戦争の所為で、我が「領土」は幾分縮小を余儀なくされましたが、ガラス卸商として確乎たる地歩を築いた功労者だったことは間違いありません。鏡を販売しだしたのも、この喜一郎爺と聞いています。
昭和20年代の岡本鏡店の様子
上の写真は、昭和20年代の岡本鏡店の様子です。通りすがりの男性が、珍しい商売のためか興味を持って、フィルムに収めたものらしいのです。その後、どこかの写真展に応募したところ、2位入選をを果たしたとか。1位になれなかったのは、撮影者が鏡にわずか映り込んでしまったためとのことです。「映り込み」の苦労は、今も昔も変わらないようです。鏡を磨いている女性の向かって右側の鏡台に、腕らしきものが映っていますね(心霊写真ではありませんよ)。ちなみに、この女性は現当主の母。歴史を感じる一枚です。
雨森芳洲翁をご存知でしょうか。江戸時代中期に対馬藩に仕え、李氏朝鮮との通好実務に携わった儒者です。
芳洲翁は、歴史の教科書にも登場する人物で、若い頃に木下順庵に師事し、朱子学を修めました。外交思想は、常に「平等互恵、誠信」にあり、自らも善隣外交の実践に努めました。老いては、自宅に私塾を開き、後進の指導育成に力を注いだそうです。
この芳洲翁を輩出した雨森家は、北近江高月町雨森を拠点とする土豪で、今でも一門会を組織し、各地で会合を開くなど、結束の強い一族です。
ところで、岡本鏡店(当初岡本喜商店)の創業者は、喜兵衛と記しましたが、実はこの喜兵衛は二代目で、初代喜兵衛がいました。この初代がどうも雨森家の出身のようで、江戸期末頃に岡本家へ養子として迎えられたようなのです。家系図の説明が曖昧でいまひとつ判然としませんが、恐らく事実だろうと思います。三代も遡れば己のルーツが分からなくなる中で、遠い祖先を俯瞰できるとは、何とも不思議な思いがしますし、一族の中に、歴史に名を残す人物が在ることに誇りを感じます。もっとも、芳洲翁からすると、私共は傍系の傍系ですが。
折角ですから、雨森家についてもう少し書きましょう。雨森家は、藤原北家房前の末裔で、藤原高良の三男良高を祖としています。良高の生年は定かではありませんが、没年は、久寿3年(1155年)で、類推するに、1100年頃の生まれではないでしょうか。この良高が北近江に土着し、雨森姓を名乗るようになったようです。
戦国武将の中にも、雨森氏があります。北近江伊香郡の雨森城を拠点としていた雨森清貞で、浅井氏の臣でした。その他、同じく浅井氏の臣で、長政に仕えた雨森次右衛門、藤六兄弟があり、姉川の合戦では、奮戦を讃えられましたが、浅井氏の滅亡と共に没落。その後、山崎合戦では、阿閉氏に属し明智光秀方として参戦しましたが、結果は歴史の語る通り。遂に北近江渡岸寺村に蟄居したと言われています。
雨森芳洲翁肖像画
雨森芳洲翁肖像画
太平洋戦争後、暫くはガラス卸商と鏡専門店を共立していましたが、昭和44年の株式会社化と岡本鏡店ビル竣工に伴い、ガラス部門を廃し、鏡専門店への特化を計りました。国産ミラーをメインに、ドレッサーや姿見など、常に斬新さを追及し好評を博しました。平成に入り、欧米を始めとする海外ミラーの輸入に取り組み現在に至っています。
岡本鏡店は、大企業ではありません。また、大企業になりたいとも思っていません。「継続」こそが目標であり、「継続」を願うからこそ「進歩」があると考えています。まさに「継続は力なり」です。京都に一軒の和菓子屋さんがあります。商品をお届けに上がった際、「○○さんは京都を代表する老舗ですね」と持ち上げたところ、真顔でこんな答えが返ってきました。「高が二百年そこそこどっさかいな.....」と。
下の写真は、創業者喜兵衛が、まだ仏師だった頃に彫んだお稲荷さんと思われます。木箱には「西京御仏師 寺町通四條下ル 岡本喜兵衛作之」との墨跡が残っており、明治維新後、当時の京都人が東の「東京府」に対抗し、京都を西京としていたことから、二代目喜兵衛の作と推測できるからです。このお稲荷さんは、今も滋賀県大津市の「西福寺」にひっそりと祀られています。
仏師岡本喜兵衛作
二代目喜兵衛作

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株式会社 岡本鏡店
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TEL:075-343-0550 FAX:075-351-4508
Email:kagami@okamotokagami.co.jp
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店主の岡本勇郎です。鏡屋初代・岡本喜兵衛から数えて五代目の1967 年生まれです。
ミラー専門店の知識と技術を生かしつつ、「温故知新」と「一期一会」を大切に、目利きの品を京都のショールームよりお届けします。
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